フランス語・フランス文学の深い研究を志す人のためのギリシャ語、ラテン語のクラスが併設されています。本校では、西洋古典語の聴講を奨励しています。
アテネ・フランセのギリシャ語とラテン語
アテネ・フランセでは、1916年から古典語(古典ギリシャ語・ラテン語)の授業をおこなってきました。それは創立者のジョゼフ・コットがギリシャ・ローマ文明の専門家であり、フランス語・フランス文明の深い理解のためには西洋古典の知識が不可欠であると考えたからでもあります。以来アテネ・フランセは日本の西洋古典学の発展に大きな貢献をした人々を輩出してきました。例えば現在でも広く読まれている『ラテン語四週間』(大学書林)の著者である村松正俊氏は、アテネ・フランセ創設以前から東京帝国大学でジョゼフ・コットのもとに学び、後にアテネ・フランセで古典語を講じました。またドイツ語学の大家関口存男氏や、『初級ラテン語入門』(白水社)の著者有田潤氏もまたアテネ・フランセで古典語を学びました。
しかし、アテネ・フランセのギリシャ語・ラテン語クラスは、西洋古典の専門的研究を志す人のためにのみあるのではありません。作家の吉田健一氏や精神科医の神谷美恵子氏もアテネでギリシャ語、ラテン語を学びましたが、西洋古典を通じての人間精神の理解が、彼らのその後の活動に大きな影響を与えたことは間違いありません。現在でも言語や歴史だけでなく、美術、思想、宗教、法律など様々な分野に関心を持った人々がアテネ・フランセでギリシャ語・ラテン語を学んでいます。
ラテン語 クラス
フランス語のほとんど総ての語彙はラテン語から出ているので、ラテン語を知れば一語の原義にさかのぼってその理解を深めることができます。
フランス語の文献にはラテン語の引用が少なくなく、また一見単純に見える文章中にもギリシャ語・ラテン語の諺・伝説・信仰・文学・歴史にわたって隠れた引用がしばしばあり、これを完全に理解することはラテン語の知識がなくては不可能なことです。
フランスでもフランス語・フランス文学を専攻する学生には、ラテン語の習得が推奨されています。
古典ギリシャ語 クラス
伝統あるアテネ・フランセの古典ギリシャ語クラスです。
西洋文学の源泉といわれるギリシャ文学。そのギリシャ文学の代表的な方言であるアッティカ方言を中心に学びます。
入門、初級、中級、上級の各クラスが用意されており、入門・初級クラスではオリジナルのプリント教材を使用しながら基礎力を身に付けます。
中級・上級クラスでは、プラトーンやホメーロスなど、豊饒な古典の原文を講読します。